* 並行輸入とは
ブランド品等には、一般的に総代理店ルートあるいは正規ルートと呼ばれている輸入総代理店などを通じた輸入ルートがありますが、これとは別の第三者による輸入を並行輸入と言います。このほか、「輸出元の国において、商標権者によって市場に出されたブランド品を、商法権者の承諾を得ずに輸入する行為」という言い方もできます。

Q1.並行輸入ブランド品を販売する際に注意すべきことは何ですか?
A1.ブランド品の輸入・販売行為が、いわゆる真正商品の並行輸入として商標権を侵害しないとされるための3つの条件を満たしているか確認することです。
Q1.3つの条件とはどのようなものですか?
A2.簡単に言えば、以下の3つです。(※正確な内容については欄外参照)。 
1.当該商品に付された商標が外国の商標権者等により適法に付されたものであること。(適法性の要件)
2.外国の商標権者と日本の商標権者が同一人、又は法律的、経済的に同一視できる関係にあること。(同一人性の要件)
3.当該商品と、日本の商標権者が扱う商品とが、品質において実質的に差異がないこと。(品質管理性の要件)
Q5.3つの条件を満たさない具体例を教えて下さい!
A5.以下、少し具体的に述べます。
(1) いわゆる偽造品、ニセモノの輸入・販売
「偽造品」とは、商標権者でないものが製造した物品を指します。この物品は、商品に付された商標が商標権者により適法に付されたものではないため、@適法性の要件を満たしていません。
したがって、当然、輸入・販売することは出来ません。
(2) 商標権者が異なる物品の輸入・販売
商標権はそれぞれの国で登録しなければなりません。中には、同じブランド名の商品でも、海外の商標権者と日本の商標権者が異なる場合があります。両者が同一人と評価できない場合は、A同一人性の要件を満たしていないため、いくら海外で適法に販売されている商品であっても、これを輸入・販売すると、日本の商標権者の商標権を侵害することになります。
したがって、この場合も、輸入・販売することは出来ません。(輸入・販売する前に、日本と海外の商標権者の確認は必須です。)
(3) いわゆる工場出しの物品の輸入・販売
通常、ブランドの委託契約工場は製造することは許可されていますが、販売することは許可されていません。したがって、物品が同じであっても、商標権者から委託されている工場から直接買ってしまった場合、@適法性の要件、B品質管理性の要件を満たさないとして、商標権を侵害すると指摘される場合があります。
例えば、権利者が市場に販売する前に品質コントロールを行うはずなのにそれをせずに工場が無断で販売したとするなら、商標の機能である「品質保証機能」が損なわれることになりますので、その物品は商標権侵害物品になり、輸入・販売はできないことになります。
Q7.具体的に何を事前確認すべきですか?
A7.商品の販売が商標権を侵害することがないよう、事前に【ハード】と【ソフト】の確認を行なうことが必要です。
1.「ハード」とは、物品本体のことをいいます。商標権を侵害しないことを物品本体で立証するための確認作業のことを【ハードの事前確認】と呼んでいます。具体的には正しい商品(ホンモノ)と比較して差異がないかを確認することです。したがって、ハードの確認のためには、まず、正しい商品の正確な情報を得ることが不可欠です。
2.「ソフト」とは、権利者から自社までの商品の流れ(商流)のことをいいます。仕入れた商品が商標権を侵害しないことを立証するために行なう商流の確認作業のことを【ソフトの事前確認】と呼んでいます。【ソフトの事前確認】には、インボイス、パッキングリスト、通関証明などについて、どのような書類がどのような意味を持つかを理解し、流通の実態に合わせて確認することが必要になります。
Q8.確認を行なわずに商標権を侵害したらどうなるのでしょうか?
A8.
確認を行わず、知らずに3つの条件を満たさないブランド品を販売してしまった場合でも、商標権侵害に該当し、当然、違法行為となります。最悪の場合、警察からの摘発を受けたり、民事訴訟になり高額な賠償金(8億円の請求という事例もあります。)をブランド権利者から請求される場合もあります。特にインターネット物販では、販売した際の発信情報、注文の確認メール、物品の送り状等が残りますので、侵害の事実は容易に立証されてしまいます。正確な住所が記載された購入者リストがあるわけですから、消費者救済の意味からも物品の回収や返金を求められるかもしれません。
以下に事例をご紹介します。おどかすわけではありませんが、注意を怠ると、あなたの会社や関係する人たちにとって修復できない損害を与えることにもなりかねません。細心の注意を怠らず、正しい商品を販売するように心がけてください。
【事例】
1.
インターネットモールでAブランドのカバンを販売していたところ、Aブランドの商標権者から偽造品との指摘を受けた。このことを仕入れ業者Bに連絡しようとしたが、仕入れ業者Bとはメールだけのやり取りしかなく連絡が取れない。B社あてにメールで再三連絡しているが返信はない。
結局、販売した商品が本物であることが証明できないために、インターネットモールから退店処分。さらに、商標権者から販売した商品200点について返金処理を迫られ、会社が存続できなくなった。
2.インターネットモールでCブランドの衣料品を販売していたところ、Cブランドの商標権者から商標権ならびに不正競争防止法違反との指摘を受けた。この商品は、偽造品を販売しないといっていた仕入れ業者Eから仕入れた商品であったため、Eに連絡をとった。Eは「万が一、偽造品だったらすべて責任をとりますから安心してください」とのことであったので、権利者へは仕入先を開示して、Eと話し合ってもらうように伝えた。しばらくして、商標権者から、当社が販売していた商品が偽造品であることが確定したので、商標権侵害に対する損害賠償金を支払うよう請求されたうえに、お客様へ販売したすべての商品を回収するよう指示があった。当社として、反論する材料がないため、多額の金銭的な損害を受けると共に、お客様への信用を失う結果となった。

並行輸入

海外商品を輸入する際、商品製造会社の子会社や正規の契約を結んだ代理店が輸入・販売するのではなく、他の業者が輸入すること。個人輸入代行も並行輸入に含まれる。輸入ルートが2つ並行することから、並行輸入(Parallel import)と呼ばれる。

一般的に価格が正規代理店よりも安かったり(内外価格差が大きい商品ほど、並行輸入による価格メリットが大きい)国内未発売の商品が手に入ったりといったメリットがあるが、返品や購入後のメンテナンスなどアフターケアが不十分な場合がある。日本においては正規代理店が商標を専有して使用できるとして並行輸入業者に対して輸入の差し止めを行うことができたが、1971年からは合法となった(パーカー万年筆事件:大阪地判 昭和45年2月27日 無体裁集2巻1号71頁)。フレッドペリー事件においては、最高裁も同じロジックで違法とした(最一小 平成15年2月27日 判タ1117号216頁)。また正規代理店が並行輸入品をメンテナンス拒否など差別的に取り扱う場合、その態様、効果によっては独占禁止法上違法な行為となる。かつては輸入車正規ディーラーで並行輸入車のメンテナンスや部品手配は受け付けられなかったが、現在では前述の理由等により問題なく行われる場合もある(輸入車も参照)。

かつて自動車用ホイールメーカーであるドイツのBBSにて輸入しようとする商品が生産国と日本で特許を有しており、日本におけるその並行輸入品の流通は特許権の侵害にあたるとして正規輸入元が並行輸入業者を訴えた事件があった(BBS事件)。

本来は正規品(真正品)を正規代理店とは別のルートで輸入・販売することだが、近年は並行輸入と偽り偽造品を販売しようとすることがある。

 
A parallel import is a non-counterfeit product imported from another country without the permission of the intellectual property owner. Parallel imports are often referred to as grey product, and are implicated in issues of international trade, and intellectual property.
The practice of parallel importing is often advocated in the case of software, music, printed texts and electronic products, and occurs for several reasons:
Different versions of a product are produced for sale in different markets. E.g.: Top Gear Magazine (UK Edition) is officially sold in UK and Top Gear Magazine (Australian Edition) is officially sold in Australia. However some unofficial distributors in Australia also sell Top Gear Magazine (UK Edition). 
Companies, either the manufacturer or the distributor, set different price points for their products in different markets. Parallel importers ordinarily purchase products in one country at a price (P1) which is cheaper than the price at which they are sold in a second country (P2), import the products into the second country, and sell the products in that country at a price which is usually between P1 and P2. See arbitrage. 
Consumers who are able to obtain more competitively priced items, and may be able to avoid local sales taxes, are placed on an even footing with consumers who have less access to overseas sales online.[1] 
Some advocacy groups support parallel importing on the grounds of enhancing the free flow of information.[2]